中空・高強度シャフトの製造法~ フェルス社の技術紹介

25 1月 by Seiji Hirai

中空・高強度シャフトの製造法~ フェルス社の技術紹介

昨今、自動車業界では100年に1度の変革期といわれCASEやMaaSが話題となる中、自動車はますます電動化・そして軽量化が進んでまいります。

自動車の車重軽量化には、外板やピラー等の車体構造部品の軽量化だけでなく、ドライブトレインの軽量化も必須になってきます。

例えばドライブシャフト、ステアリングシャフト、EVモーターローター、トランスミッションシャフト、エンジンバルブなど、それらを軽量化するにはどうすればよいのでしょう?

もちろん従来の構造に加工を施し、旋盤で削り肉をそぎ落としたり、シャフト中央に穴をあけて中空化するといった方法がありますが、材料のロスが発生しますし切削面の強度を補うための表面熱処理などが必要です。

それに対し、シャフトを鍛造により外側から叩いて伸ばし、必要に応じて内径にマンドレルを挿入して内径も制御する加工法「ロータリースウェージング」を用いれば、材料ロスを減らし、鍛造効果で鍛流線を切らずに高強度・高硬度化を実現しつつ、軽量化を実現することが可能となります。

今回は、その技術で欧州の自動車メーカーでの実績を持つドイツの設備メーカー「フェルス(FELSS)」社の技術を2つ紹介いたします。

ロータリースウェージング Rotaly Swaging
~ 異なる形状、豊富な機能性を持つ中空軽量シャフト材の冷間加工を可能にする技術 ~
『ロータリースウェージング』は、さまざまな形状の中空シャフトの成型が可能冷間鍛造プロセス。シャフト外側に配した分割金型を毎分1000ストローク以上で繰り返し開閉し圧を加えながら叩いて形状を作ることにより、鍛流線を切らずに活かしたまま、鍛造による表面硬度の向上することが可能な技術です。
またNC制御によりフィード率を変えたり、径を調整することにより、複雑形状の中空シャフトが成形可能になり、素材自体の強度と安定性が向上させながら、シャフトの軽量化と高機能化が実現可能となるプロセスです。

アキシャルフォーミング Axial Forming
~ 精密・迅速・自由自在!中空シャフト材へ内外径スプラインを高速に加工が可能な技術 ~
『アキシャルフォーミング』は、シャフトの外周をリング状の歯型金型で、もしくはシャフトの内径を歯形マンドレルを用いて振動成型することにより、高精度なスプラインを形成することが可能な技術です。
歯型がツールそのままの形状で塑性成形されるため、ピッチ誤差の発生を抑え対称性を備えた歯形を形成できるだけでなく、鍛造効果により疲労強度も向上するプロセスです。

フェルス社の装置の事なら、株式会社イリスにお任せください。
皆様の現状の問題点をお聞きし、適したプロセスをご提案いたします。

コメントをどうぞ / Leave a Reply